中野生活クラブ
「よねちゃ〜ん、インコの家出して!」とHちゃんとMちゃんの二人に言われロッカーの上にある手作りの大きなインコの家を机に降ろします。二人が来る日でこれを言われなかった日はありません。先に出して置いておいたこともあります(笑)。今回はこのインコの家の経緯についてご紹介したいと思います。
今日も改築スタート!どんな家具を置こうかな??
インコのベットだそうです。(撮影Mちゃん)
去年の2月か3月頃からHちゃんとMちゃん(現在は2年生)の二人が、色々な大きさの箱をつなぎ合わせてミニチュアハウスのようなものを作り出しました。そして当時はその中にMちゃんが持って来たインコのフィギュアが一羽だけ住んでおり、日を重ねるにつれて二人が家から持って来たシャンプーのケースのフタで作られた椅子、フェルトで作られた絨毯、食器スポンジをベッドにしたり、空の醤油注し(魚の形をしたもの)をそのインコの餌としたりなど、色々な家具がその家の中に増えていきました。これがいつしか「インコの家」と呼ばれるようになります。家具だけではなく、部屋を増やしたり、ロフトを増設したり、どんどんインコの部屋は豪華になっていきます。一時期は、小学校の夏休みの宿題に合作として提出されていたので、その間でさえも別荘ということで小さな家を作ってそこにインコや作った家具を置き二人で楽しんでいました。
二人の間ではインコの家を通じたあそびが生活の中心となっており、学校でも、休みの日でも、二人でいる時にはいつもインコの家のことを考えているようで、インコの家を触っていない時も二人の描く絵を見てみるとインコの家族構成やインコを主題にした漫画やイラストがかかれています。 また最近は、そのインコの家の写真を二人で撮るということもしており、たまに外にインコを連れて行っての野外撮影をしたりもします。それがかなりしっかりと撮れており、ほんとうに二人の間では色々な方向に遊びが発展していることが感じられました!
公園にはインコたちもお散歩します。(撮影Hちゃん)
外だとなんだか本物みたいですね!(撮影Mちゃん)
初めはインコのフィギュアを家から持ってくることがOK?NO?という点で悩みました。ものがなくなったなどのトラブルを心配しましたが、学校が終わったら急いで帰って来て宿題をすぐ終わらせてお迎えが来るまでの間、二人でインコの家に夢中で取り組んでいる姿を見ていると、この取り組みは見守ることにしました。でも最近はインコ自体も自分たちで作ったものが登場する始末で、二人の創作活動はまだまだ止まらない!といった感じです。
インコの漫画も二人の得意分野です。
子どもたちの活動に対して、なんでも「ダメ!」と言ってしまわずに、どのように活動すればOKなのかを一緒に考えることが大切です。これは難しいところでもあり、生活クラブだからこそできることでもあると思います。子どもたちと過ごしていると毎日のようにそういった場面に出会いますが、この子どもたちと一緒に考えるという活動が私たち保育者と子どもたちの活動を深めているように感じます。
(文:中野生活クラブ 米谷)