御幸生活クラブ
今年度から御幸生活クラブがスタートし、あっという間に一年が過ぎようとしております。
子どもたちも随分ここの生活に慣れたようで、今までに感じたことのなかった、表情や言動行動といった素の部分など、それぞれが心も身体も成長していく姿が多く見られます。
そして一年もの間、子どもたちと過ごしておりますと様々なエピソードがございます。
過去お伝えして参りました、そらまめ通信の他、フェイスブックやブログであるなど 普段、子どもたちの生活の様子、笑える話や悲しいエピソードまで、実は毎回同じのようで同じではありません。
子どもたちの中では毎日遊びと生活は断片的ではなく継続してつながっています。
子どもたちの生活の前後もしっかりと見極めた上で、今後も様々なエピソードをお伝えして行きます。
さて、御幸生活クラブには、こんな女の子がいます。一年生のHちゃんと言います。
正義感が強く、真面目で、お友だち想いで、どんな人にも優しくできる元気な女の子です。
しかしこのHちゃんは、とてつもなく主張が強いのです。
今では少なくなったのですが、例えば先生が違うお友だちと話していたりすると相手順番関係なく「先生!Hちゃん今日はねえ!!」と正面めがけて割り込んで来ます。この程度ならまだしも。
保護者の方や職員間で真面目な話をしているときでも「先生!Hちゃんはねえ!昨日ねえ!」と必ず。
お友だちのケガの対応中や体調不良で看病している際でも「先生!Hちゃんはねえ!着替えたよ!」だとか。
危ないことをして、中々の形相で他の子を真剣に叱っているときでも「先生!Hちゃん宿題終わったよ!」とぶち壊してくれます。
どのタイミングであれ、ところ構わず、他者と話す際には必ず「Hちゃんはねえ!」と割り込んで来るのです。
当初は電話の最中でも平然と「先生!聞いてるの?Hちゃんはねえ!」と。 さすがに電話中については強く指摘させて頂きました。
「今は違う人と話しているからね」「順番ね」と幾度となく指摘を続けて来ました。
特にHちゃんと接している時間が少ない訳でもなく、もちろん毎日話もします。
お友だちとも上手に遊んでいるのですが、何かしら第三者と関わる際には必ず「先生!Hちゃんはねえ!」また君かいな!!となるのです。
そんなある日のこと。
来年度の入所に向けて新一年生の保護者の方々が御幸生活クラブに見学に来られたときのことです。
突発的な来訪と保育時間であったため、室内は整理どころか乱雑。
テンションMAXの手のつけられない集団を始め、置き去りにされた宿題、脱ぎ捨てられた制服、凶器のように散らばるレゴ。
「これはあまり印象良くないなあ・・・」と思いながら恐る恐るご案内させて頂いておりますと・・・「先生!Hちゃんはねえ!」とまたあの声が。
「ごめん、今お客さん来ているからね」といつも通りあしらうと、
「Hちゃんは御幸が大好き!」「御幸は本当にたのしいよねえ!」「先生大好き!」と・・・。
あなた天使ですか。
過去散々叱ってあしらったのに、この状況に神対応を見せてくれたHちゃん。
「今までごめん。ていうかもっと言うて!!ていうか作って!!」
この後もHちゃんの振る舞いが保護者の方々を和ませ、心地よく後にされました。
想定外の出来事に助けられ、Hちゃんの恐るべき力を目の当たりにしたと同時に Hちゃん、次回の新入所さまご案内もよろしくお願いします。